2017/6/7付で、メルカリのアカウントを不正取得して転売していた業者が逮捕されました。
元々規約で複数のアカウントの保有が禁止されていたこともあり、またメルカリ内での不適切な形式での取引にも利用されていたので、やっと逮捕になったというのが自身の印象ですが、利用していた側にとってはショックな報道となっていたようです。
今回の逮捕の件も含めてメルカリでの副業における危険性・問題点について紹介します。
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メルカリでの不用品販売と副業の違い
メルカリの用途がいらなくなったものの処分(不用品販売)によるお小遣い稼ぎという方も多いかと思います。
不用品は1家庭に20万円ほど眠っているとも言われているので、眠っているものが多ければ月に1、2万円の収入を得ることも現実的です。
ここまでであれば副業感覚ではあっても、買ったとき以下の価格で販売している場合がほとんどなので、課税対象にもならなければ公務員などで禁止されている副業にも該当しません。
一方でメルカリでの副業=営利行為とみた場合、販売する商品を買値(仕入れ値)+手数料+送料以上の価格で販売し利益を得ることが必要です。
例えば、転売屋・転売行為による中古品販売や、問屋から仕入れた新品商品の販売といった行為であれば、メルカリでの販売といえど副業に該当します。
不用品販売も副業(営利行為)でも収入が得られる点では同じですが、課税対象となるかどうかや法的な資格が必要になるかどうかが異なってきます。
メルカリ上でも転売行為は違法となる場合も
福袋や最新のゲーム機、チケット転売などたびたび転売行為が話題となりますが、いずれも古物商許可が必要な行為となります。
2016年にはチケット転売に関して古物営業法違反で逮捕された事例が存在します。
逮捕される事例はあまり多くはないのですが、厳密にいえばチケット以外にも古物商許可を取得していない状態での違法転売を行っている方は多く存在するようです。
逮捕されるかは別として、違法民泊や白タク営業、密漁なんかと同じような行為となります。利益は出るかもしれませんが業としては不適切な行為ですね。。。
メルカリでは匿名での取引も可能で、より違法な転売行為をしやすい面はありますが、違法行為を行ってでもお金を得たいという考えには大いに問題があります。
またAmazonなどでも評価の低い出品者によって新品商品が安売りされている場合がありますが、知識が十分のなく、古物商許可も無い転売屋が厳密には中古となる商品(未開封という意味での新品)を全くの新品として販売している場合もあるなど、違法行為となることを認識できてない場合も多いようです。
もっとも、違法な転売であっても購入する側にとっては安く買えるメリットがあり、歓迎されている面もあることもまた事実です。
アカウント販売は主に無在庫販売のため?
メルカリのアカウント販売業者が逮捕されたことが話題となりましたが、販売されたアカウントを購入するする需要があることについてもまた言及しておきたい。
通常の使い方であれば、1ユーザー1アカウントのため、わざわざアカウントを800円前後の金額を支払って購入する必要はありません。
買う必要がある方は以下のようなユーザーではないでしょうか。
・不適切な行為で利用停止となったユーザー
・ポイントの取得や換金目的
・大量出品のためいくつもアカウントがほしいユーザー
いずれも適切な用途に使うために購入しているわけではないので、アカウント販売業者が存在する一方でメルカリでの不正・不適切行為も横行しているというのが、アカウント業者が逮捕された裏側ではないでしょうか。
メルカリの使用を再開したい場合や、貯まったポイントを換金するためのサブアカウントがほしい場合は1つのアカウントで済みますが、後述の無在庫販売業者の場合、10、20以上のアカウントを使って販売を行っている場合もあるので、メインの購入者はツールを利用して在庫の無い商品を大量出品する無在庫販売業者のように思われます。
無在庫転売はただの迷惑行為
メルカリでの無在庫転売が行われる理由の1つとして、手元資金がなく発送や写真撮影などの手間をかけずに販売して収益を得られるという、出品する側に都合の良いという点が挙げられます。
参考:無在庫販売の原理
さらに非公式のツールを使って大量に出品し、より効率よく稼ごうとする流れがあります。
一方で、無在庫販売はメルカリでの利用規約で禁止されているなど、実践すること自体は禁止されています。が、その点を無視してでも稼げるといううまみが存在するのでしょう。
メルカリをはじめ、無在庫販売が迷惑行為になっている理由を紹介します。
規約通りの一般利用者の販売・購入を阻害
一時期はメルカリでも半分以上が無在庫出品と思われる業者の出品となっていた時期もありましたが、購入する側から見れば、同じ商品がいくつも並んでいるのでほしい商品が見つけにくくなってしまっていました。
メルカリでの無在庫販売の特徴として、非公式のツールを使って1アカウントで手元にない商品を複数出品するのを数10ものアカウントで行うので、一気に検索画面を埋め尽くすことになります。
たくさんの出品の中から選ぶ必要があるのは仕方ないのですが、不正行為で出品された商品のためにほしい商品を探すのに時間がかかるのはこの上なく迷惑な話です。
また、販売する側も同じような商品があれば、それだけ売れにくくなったり、自分の商品が注目されなくなるので、無在庫販売は他の利用者に迷惑をかけてまでお金を稼ぎたい営利行為ということができます。
自身はヤフオク!上ではありますが、販売を不当に妨害をされている商品もあるので、社会的意義に乏しい販売方式とも思っています。
参考:メルカリが無在庫転売業者対策・規制強化で見やすくなった件
個人情報を勝手に他サイトへ流出
無在庫販売は個人情報の保護という観点からも適切ではありません。
2017年5月30日に改正個人情報保護法が施工されたため、個人であっても営利活動の販売を行っているのであれば、個人情報取扱事業者とみなされるようになりました。
そして個人情報保護法には以下のような記載があります。
第16条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定に
より特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。
この文面をメルカリの規約に照らし合わせて考えるのであれば、個人情報を利用できるのは発送伝票を作成する販売者本人と、配達を担当する運送業者ということになります。
加えて、AmazonまたはAmazonの出品者にも個人情報を渡すのであれば、事前の同意が必要になってきますが、無在庫販売は在庫が無いことやAmazonからの発送を隠して行われているので、当然事前に同意を得ているケースは少ないと思われます。
無在庫販売(販売店からの直送転売)は合法といって宣伝している方も見受けられますが、違法とはならなくても適切な販売方式ではないことは明らかです。
直近ではYahoo!や楽天でも話題となったように、売る側にとって都合の良い販売形式に対する注意喚起は行われているようですが、まだまだ勝手にアマゾンから届くという被害はなくなっていないようです。
参考:楽天・ヤフーでも無在庫・直送転売屋への規制強化が話題な件
メルカリで稼ぐ方法を教えるコンサルタントにも注意
今現在もメルカリで無在庫転売を行って稼ぐことを推奨する物販・副業コンサルタントは大勢います。
ここまでの文章を読んでいれば、無在庫販売が営利だけを追求した行為というのは理解できると思いますが、サイト側も野放しというわけではなく、定期的にシステムの改修などを行って対策を行っています。
ここ最近では、フリマアプリ向けの大量出品を実現するツールが相次いで廃止に追い込まれるなど、これまで通り利用できない方法となってきています。
今回のアカウント販売業者が逮捕に至ったのも、メルカリ側の不正利用対策の一環であると思われます。
一応利益は上げられるのかもしれませんが、同じように対策がなされ稼げなくなるのは目に見えているので、現時点では規約等を無視すれば稼げる方法でしかなく、コンサル客に対しても営利だけを追求した行為で収益を上げようとしているからに他なりません。
メルカリでの副業で稼ぐ方法を有料で教える場合、その内容のほとんどがメルカリの規約や法律にそぐわないものになるので、コンサルタントとしての実力としても怪しいものになります。
詐欺的な情報商材と同じような構造のものもあるので、被害に合わないためにも、副業といえど規約や法律に従った内容であるかは常に確認しておきたい。
メルカリでの副業の危険性・問題点まとめ
メルカリのアカウント販売業者の逮捕をきっかけに、その背景にある無在庫転売や、メルカリでの副業が適切かどうかについて紹介しました。
不用品販売で収入を得ることに関しては問題ありませんが、営利行為は違法となる場合もあり、無在庫転売に関してはアカウント販売業者が逮捕されたり、たびたび規制されるなど適切ではない面も。
稼げる副業としてメルカリを進めるコンサルタントもいるようですが、逆に実力の伴っていない詐欺的な手を出すと危険な教材、塾も存在します。
リスクなく手っ取り早く開始できるのは不用品販売とポイントサイトによる副業なので、資金・資格がないうちはこの2つから初めて見てはいかがでしょうか。
ポイントサイトによる稼ぎ方は以下の記事を参考にしていただければ幸いです。