せどり・カメラ転売塾についての情報をブログやtwitterなどで検索すると、必ずと言っていいほど「詐欺、稼げない」といったワードが出てきます。

でも、こういった印象を持つ方がおられるのはある意味当たり前で、理由は主催者側の目的を知らないことや、積極的にはPRされない不利益部分にあるように思います。

今回は前回の投稿に引き続き、せどり・カメラ転売塾を選ぶ際の判断材料となる内容について紹介します。

ネット副業の中でも、比較的利益を得やすいと人気なのが、せどり・転売です。 そのため、コンサル・塾を募集している方も多数見かけるようになり、Youtubeにも日々誰かしらの動画

せどり・カメラ転売塾開催の目的は?

転売塾の募集ページの記載を踏まえて、転売塾開催の目的を以下のように考えていないでしょうか。

あなた(塾生)を主催者のノウハウで稼がせること

生きがいや感謝、再現性が高いなど様々な理由でPRがなされているようですが、これはあくまでも転売塾に参加した方にとって都合の良い表現となっています。

実際は、わざわざ時間を割いてまで稼げる方法を教えている主催者側は以下のようなことを開催目的として考えているはずです。

転売塾の開催で転売以上に効率的に稼ぐこと

⇒原価があまりかからないため参加者が増えるほど利益増
⇒塾生が稼げるようになるかどうかは優先事項ではない

まとめると、「講師自身が転売で稼ぐこと」が開催目的となります。

ここでいう「転売」は物品の売買だけではなく、転売に関する塾・セミナーでの収入も加味された場合であることがあります。

「転売」で月収100万円の実績がある方から教わろうとしている場合、出品先のアカウントを事前に開示してもらうなど、数字の中身・内訳については把握しておくべきです。

(過去のMAX月収ではなく、直近の平均あるいはワーストでの月収を把握できるのが理想)

また結局のところ、メルマガ登録や無料レポートなど情報商材的な要素がある場合、講師側・教える側が稼ぐことが優先され、内容がおざなりになることも多いためご注意ください。

事前に知っておくべき不利益事実

せどり・カメラ転売塾での募集や勧誘ページには、稼げること・稼げた実績こそ積極的にPRされているものの、不利益な項目については積極的にはPRされず、中には全くと言っていいほど紹介されないことも多くあります。

ここでは、せどり・カメラ転売で障壁になる可能性のあることを紹介します。

古物商許可が必須

せどり・カメラ転売は原則として小売店やリサイクルショップ、専門店などの中古品販売店、ヤフオク!、メルカリなどの個人間取引から購入した商品を販売して利益を得るため、必然的に古物(中古品)の売買を行うことになります。

小売りされたものはその時点で古物になるため、見かけや出品時の説明、出品区分上は新品であっても、厳密には古物(中古品)となります。

せどり・転売での古物商資格|ヤフオク・アマゾンでも必要になる場合と効果

ただし、古物営業法違反で摘発を受ける事例は、ここ数年の間ではチケット転売が数件程度とあまりないため、小規模のせどり・転売では許可がなくてもあまり影響がないと考える方は多いようですが、法律上は誤った考えです。

せどり・カメラ転売塾やコンサルで、古物商許可が必須ではない形で募集されているのをよく見かけますが、教える側の知識がなかったり、転売を教えることで稼ぐことを優先している場合が多いので、主催者側の実力の判断材料としても「古物商許可」が活用できます。

取得する際も簡単とは言われますが、賃貸などで居住専用の物件であったり、過去に禁固刑や盗品売買・不正行為に関する犯罪歴があると欠格となってしまうため、だれでも取得できるとは限らない点にはご注意ください。

取得方法詳細は以下のページにまとめています。

せどり・転売時の必須資格|古物商許可の申請方法~取得までの期間

仕入れ資金や運搬用の車がほぼ必須

Amazon、ヤフオク!、メルカリなどで仕入れた販売する場合、ルールに従って出品するのであれば、必ず先に在庫を持つ必要があります。

小売店やネットショップ、個人間売買で購入する場合クレジットカード払いが使えることも多いですが、望みの値段で売り切るためには2~3か月を超えて在庫を保有することも珍しくありません。

安売りしてクレジットカードの引き落としまでに代金を回収できれば、必要資金はゼロですが、後々の利益を考えると長い期間在庫を抱えることができる資金がある方が圧倒的に有利です。

例えば利益率20%で、平均して3か月在庫を抱える場合、毎月10万円の利益を得るためにはおおよそ150万円の資金を準備する必要があります。

せどり・カメラ転売塾などでは、必要資金が1か月分など少なめに見積もられている傾向にあり、実際は収入に対し多額の資金が必要なことが障壁となる場合があります。

他にも実店舗にて商品を仕入れる場合、商品運搬用の車両、ガソリン等の経費も必要になりますが、不利益な事実はあまり紹介されないのでご注意ください。

(必要ない場合もありますが、必要な場合でも省略されていることが多いです)

講師自身の教える稼ぎ方が適切かどうか

販売実績もあって、十分な利益が取れる場合でも、安心できない場合があります。

再現性があるかどうか、規約違反となってないか等、販売方法についても確認が必要です。

問題がある具体的な例は以下の通りです。

無在庫転売(規約違反)

Amazon、ヤフオク!、メルカリ、新ラクマ等での無在庫販売はごく一部の例外を除いて禁止されています。

楽天・ヤフーでも無在庫・直送転売屋への規制強化が話題な件

また、メルカリ関連ではアカウントを作成・販売する業者が逮捕された事例もあり、個人情報の無断使用ともとらえることができるので、評判は良くありません。

2016年~2017年前半にかけて大流行したメルカリでの無在庫転売ですが、メルカリアカウント作成・販売業者の逮捕や、自動出品(スパム行為)ツールへの規制等、メルカリ側も本腰を入れて

原理的にはノーリスクで稼ぐことはできるので、資金力のない方が稼ぐ手段としては人気のようですが、買い物する側からすると勝手に個人情報を利用して商品を送り付けてくるので、迷惑行為と感じる方も多いです。

最終的には「アカウント停止⇒新規アカウント作成(調達)⇒」を繰り返すことになり安定的に稼ぐことは難しい手法です。

ここ最近ではヤフオク!の無在庫転売を教える塾が流行しているようですが、使えない手法で、稼げてもお金を払ってまで教わる方法ではないことはお分かりいただけるかと思います。

中古品⇒新品偽装での出品

せどりの中でも「新品せどり」などと呼ばれているもので、小売店で購入した新品を、Amazonなどを中心に新品のコンディションとして出品する手法です。

具体的には、ネットショップや家電量販店で安売りされているもの、リサイクル店などで新品未開封(中古)として値付けされているものを購入し、Amazonで再び新品として販売することで利益を得るというもので、コンデションを偽装することが利益を増やす要因となっています。

一方で、最近のAmazonでは新品での出品ができない規制が度々に行われるようになっており、年々この手法では稼ぎにくくなっています。

新品規制と騒いでいる出品者もいますが、実際のところはコンディション偽装に対する対策と自身は考えており、年々対象となるメーカー・商品ジャンルが増えてきています。

Amazonでの出品規制が強化|中古品の新品偽装の横行が原因?

またNintendo Switchのように、品薄プレミア化かつ大量に需要がある商品が常に出現するわけではないので、ピークの時期だけしか稼げない商品もあります。

稼いだ実績だけが先行しがちですが、後々稼げなくなる可能性が高い場合でも積極的にPRされないためご注意ください。

知識がない方への高値販売等で稼いでいる場合

十分な説明をせずに知識のない購入者へ高値で売り付ける場合、中古品でも状態を意図的に良く見せかけている場合にも注意が必要です。

例えば、「○○で仕入れて、メルカリで売って1商品で△△円の利益」といった事例を見かけますが、知識のない方がたまたま購入してくださった場合もあるため、鵜呑みにしてはいけません。

販売先によって多少売値の差は生じますが、メルカリで高く売れることをPRしている場合、ほかの販売先では利益が取れない(知識のある方は買わない)場合があり、メルカリで繰り返し売れるとしても時間を要することがあります。

また後者については特に一部のカメラ転売屋さんに顕著で、新品級・極上品・極上美品といった過剰な表現+画像編集で無理やり状態をよく見せかけての出品が行われています。

中には明らかなジャンク品を動作未確認商品として売りさばいたり、ジャンクであることをわかりにくくして出品したり、だましのような悪質な出品も多く見かけます。

正しい知識を持っているといろいろと判断ができるのですが、特に初心者に近い状態でせどり・カメラ転売塾に入会したりコンサルを受ける場合、主催者側のカモにされないようにご注意ください。

競争の激しさ・利益率について

せどり・カメラ転売塾が開催されるということは、もともとの競合となりうる相手に加え、塾生・コンサル生が教わったことをもとに仕入れ販売を行うため、特にネットで商品仕入れを行う場合は競合多数になりがちです。

特定の商品がセールで売り出されたとたん、我先に利益を確定しようと値下げ販売を行っている商品をAmazon、ヤフオク、メルカリなどで見かけることも少なくないかと思いますが、Nintendo Switchといった一部の商品でもない限り、想定していた価格で販売することができず、値下げして思うように利益が取れないこともしばしばです。

また1点物でも転売屋同士の取り合いになり、うまく仕入れられない場合も。。。

それでも薄利でもよいからと多数の商品を安く売る手法をとることもできますが、必然的に利益率は下がり、作業時間に対しての稼ぎを削ることになります。

利益率は20%もあればまずまずですが、競争になって10%を切ってしまうこともあり、また前述のように適切でない手法によって利益がかさ上げされているのであればなおさら厳しくなります。

また利益率の定義も使用する方によって異なる場合があり、出品先での手数料等が加味されていないこともあるため、自分自身の基準に当てはめて考えてみてください。

まとめ

せどり・カメラ転売塾を選ぶ際の判断材料となる項目について紹介しました。

金銭を得ることのみ考えた場合では気にしなくてよい項目もあるかもしれませんが、不利益な情報が積極的に開示されることはほとんどなく、また講師側の主目的も「転売を教えることで効率よく収入を得ること」なので、特にメリットや実績だけが目立って紹介されている場合、安易に信用しないように注意した方がよいでしょう。

悪質・価値の乏しいものもあると聞きますので、万が一申し込みを行う場合には、内容を十分確認・納得したうえで行うようにしてください。