副業情報を収集するためYoutubeやTwitterを活用しているのですが、最近多いと感じるのがAmazonからの真贋調査です。

今回は真贋調査が行われる一因と思われる新品せどり(中古品の新品偽装転売)とともに、副業レベルでも転売を行う際の注意点を紹介します。

新品せどりや予約転売の問題点

商品売買における新品か中古かの違いは、利用先のサイトによっても定義が異なり、また見た目だけでも判断される場合もあります。

中古品に対する新品の定義自体は、実はサイト間やお店でも異なる場合がありますが、メーカー保証や古物営業法を踏まえると、新品の定義を把握することができます。

「新品」の定義を簡潔に表現する場合、「一度も小売りされていない商品の出品状態=新品」となります。

参考:意外と知らない!?「新品」と「中古品」の定義と境界を解説!

なので、リサイクルショップや量販店などの小売店、ネットショップ、メルカリやヤフオク!などで商品を仕入れと称して入手する場合、見た目は問題なくてもすべて中古品となり、一部の例外を除きメーカー保証が開始されているか期限切れ・無効の状態となります。

2019年現在も、Amazon新品せどりや予約転売で稼げるといったPRをされている方がいますが、その通り「新品」として販売できれば、稼げることは間違いありません。

そして量販店・小売店よりも高値で売ることができれば、Amazonでの販売で割と簡単に稼げるといった印象を抱きがちですが、実際は中古⇒新品として出品することで価格を吊り上げているという側面があるので、この部分はAmazon側・購入者側の両方から問題があると指摘される可能性があります。

せどり・転売で稼ぐ方法として人気のあるものの1つが「予約転売」で、人気のゲーム機などでは、発売前から高額転売・プレミア価格での販売が話題になります。 稼げる場合があるのは単純

Amazonの場合、本来の卸売りルートで仕入れた商品も新品として出品されるため、せどり・転売屋が中古品を新品と偽装して出品することにより、他出品者の利益・公正な取引が阻害される問題点があるのは言うまでもありません。

真贋調査の一因はコンディション偽装

Amazonでの新品せどり・予約転売により、目に見えない形でも被害者となるのは、以下のような立場の方々・事業者です。

・Amazon(販売者&サイト運営者)
・新品販売業者(卸売り仕入れ)
・消費者
・メーカー

このうち、メーカーが被害者側というのが一番わかりにくいので補足します。

①メーカーがすべての商品を直販している場合

単純に同程度の価格で新品として販売されれば、邪魔される側のメーカーの売り上げが下がることは容易に想定できます。

せどりで安く入手できる理由は、新品状態での不用品、初回限定などでのセール品と様々ですが、転売自体は問題がなくとも、入手ルートの異なる商品を同じ状態として出品することには問題があります。

このような場合、新品として販売ができるのは厳密にはメーカーのみのため、Amazonで新品として出品すれば、真贋調査というよりも不正な出品として指摘を受ける可能性があるのは明らかです。

②メーカー保証にて無償修理等を行う場合

商品に問題があれば、製造元のメーカーが責任を負うことはある意味では当たり前なのですが、せどりで本来は中古品に該当するものがAmazonで新品として取引される場合、メーカー側が本来の責任の範囲を超えての対応を要求される原因となります。

家電類の場合、購入日(商品到着日)より通常1年間のメーカー保証が開始しますが、Amazon上で中古品を新品として出品された場合、以下のような被害が生じます。

・本来よりもメーカー保証期間が長くなる
・保証期間切れの商品が保証対象となる
・転売品購入者も保証の対象者となる(転売時に保証が無効となるメーカー)

結果として、新品と偽って出品されると、メーカー保証に要する費用が不当に増加する可能性があるので、メーカー側が損害を被る形になるので、昨今新品としての出品に規制がかかったり、今回のような真贋調査に発展しているようです。

真贋調査は、入手経路を調査して、出品商品(商品状態)に問題がないか確認するために行われており、少なくとも新品として出品していた商品については、このような事情が関与しています。

継続的な副業転売・せどりでも古物商資格が必要

副業せどり・転売も稼ぎやすいと人気になっていますが、一方で不利益な情報として積極的に語られていないのが、古物商許可です。

中には古物商許可が不要とまで言い切っている方もいるようですが、古物営業法を学べば、取り扱っているものが中古品(古物)に該当し、継続的な売買には古物商許可が必要であることは言うまでもありません。

最近ではヤフオク!、メルカリ、ラクマでも匿名発送が可能となっているので、ある意味で堂々とは出品しやすくなっていますので、副業せどり・転売への障壁が年々低くなっているといえます。

参考:せどり・転売での古物商資格|ヤフオク・アマゾンでも必要になる場合と効果

一方で、ヤフオク!(個人出品)やメルカリでは古物商許可情報の表示は不要(許可自体が必要かどうかとは別の話)ですが、Amazonで中古品を出品する場合にはリサイクルショップなど業者や、ヤフオク!でいえばストア出品者と同じく、古物商許可がないと知識がある方からすればただの怪しい出品者ですので、見劣りしないためにも、法律上の観点からも取得されることを推奨します。

また、事例は少ないですが、古物商表記がないためにAmazonで出品できなくなる事例があるようです。

ここまでの新品せどり・新品偽装の件も踏まえると、厳密には転売品のすべてが出品できなくなる可能性がありますので、逮捕されるような事例は少なくとも取得が必要という認識してください。

情報発信者の嘘と実際に注意してほしいこと

古物商許可の有無や、新品せどりという部分でも、ブログやYoutube上での情報発信者のレベルを見極めることができますが、それ以外にも副業せどり・転売が稼げると騙しのテクニックで宣伝が行われていることがあります。

代表的な事例を紹介しますので、嘘を無抜く際の参考にしてください。

月商○○○万円せどらー、月収3桁の○○さん

このような表現があると、一見数字の大きさだけを見て、情報発信者がすごいと思える事例は数多く存在します。

表現自体に問題はない場合でも、以下のような形で、情報の受け手のミスリードを狙っている可能性があります。

・月商について:

あくまで単月の販売価格の合計です。実績作りが目的でほとんど利益がない場合もあります。単月の最高月商だけでなく、普段の平均的な月商かどうかにも注目してください。

・月収(月利)・利益率について:

情報発信者それぞれで定義に差があります。販売価格-Amazon手数料で、管理画面上の利益を月収として表示している方を見ると、それなりにすごく見えてしまうものです。

その反面、納品のための送料、仕入れのための交通費・ガソリンなどの費用はもとより、消費税なども踏まえた情報ではないため、多少は盛られた数値であると認識しておいてください。

利益率も同様ですが、中古品を新品として出品すると、商品にもよりますが平均的には1~3割くらい高く売れるので、新品せどりでの売り上げがメインの場合には、数値の補正が必要になってきます。

一撃〇万円の利益、お宝商品発見、価格差〇万円!

これにも裏がある場合も多く、

①たまたま見つかった商品をピックアップしてPRしている

②新品として売れない場合、単に赤字になってしまう

③見込んだ価格差で売ることが困難。数か月後でも在庫があり出品されている状況

といったことがあります。

一番厄介なのが見込み利益の部分で、第3者を利用すれば中古でも売れた実績を作り出すことができるので、また相場変動の影響により売れない場合もあり得るので、見込み利益を良く見せることもできなくはありません。

酷い事例であれば、見込み利益〇万円・利益率50%⇒数か月後に売れ残りと思われる出品有⇒その価格で売れるとギリギリ黒字という程度の利益ということもあります。

是非とも見込み利益が妥当であるかは、情報発信者の実力を知るうえで必ず確認してほしい項目です。

手法自体に問題がある無在庫転売や複数アカウント

情報発信者が都合の良いことばかりを発信する事例は後を絶たず、稼ぐために平然と嘘や問題のある手法を教えるケースもあります。

先ほどの新品せどりが成立しないことはもちろんですが、ここ最近だとメルカリ転売を中心とした無在庫転売、楽天市場仕入れのための複数アカウント運用など、稼げてもルール上問題のある手法を平然とPRする事例があります。

2016年~2017年前半にかけて大流行したメルカリでの無在庫転売ですが、メルカリアカウント作成・販売業者の逮捕や、自動出品(スパム行為)ツールへの規制等、メルカリ側も本腰を入れて

その一方で、問題のある手法を紹介したことについて、謝罪記事・謝罪動画を投稿した方はどれだけ存在するでしょうか?

メルカリアカウント関連であれば、逮捕者も出ています。

2017/6/7付で、メルカリのアカウントを不正取得して転売していた業者が逮捕されました。 元々規約で複数のアカウントの保有が禁止されていたこともあり、またメルカリ内での不適

都合の良い部分のみで宣伝を行い、コンサルやコミュニティに引き込んで会費を巻き上げ、いざ問題があったら何も責任を取らないという方々が、残念ながら今現在もブログやYoutube上の情報発信者として生き延びているので、Amazonでの新品せどりと真贋調査に限らず、情報発信者の嘘には気を付けてください。(もちろん悪者ばかりではないと思いますので、そういった方々すべての活動を否定するわけではありません)

まとめ

副業ブームの一環でせどり・転売に取り組む方もおられると思いますが、新品せどりや真贋調査が横行している原因や注意すべき点について解説しました。

残念ながら今現在も情報発信者に都合の良い情報が発信されている現状があるので、副業でせどり・転売に取り組む方に対し、現在ある規制や新品せどりに対する真贋調査の原因を踏まえた商品販売の参考になれば幸いです。